[韓国に次いでワースト2位】男女の賃金格差が公表義務化へ

困る二人の男女

日本における男女の賃金格差は世界でワースト2位という低い水準です。この状態を是正するため政府は女性活躍推進法を改正。男女の賃金差の情報公開を義務化しました。今回の法改正で賃金格差は埋まるのでしょうか。

目次

主要各国の男女賃金格差

OECD(経済協力開発機構)※がフルタイムで働く正社員・非正社員を対象に調査を実施。2020年の各国における男性賃金の中央値を100にした場合、日本女性の賃金中央値は77.5ポイントでした。男女の賃金差は22.5ポイント開いており、先進国の中でも低い水準です。また2015年〜2019年の平均でも24.4ポイントと、韓国に次いでワースト2位という結果になっています。

※OECD(経済協力開発機構)…ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関

賃金格差の要因

日本の男女賃金格差は縮小傾向にあります。しかし他の先進国と比較するといまだ格差が大きいのが現状です。

・女性登用が進まないこと

賃金格差の要因の1つに、女性の管理職の登用が進んでいないことがあげられます。そのため金融庁は、女性の管理職比率の情報公開も義務付けも検討しています。

・出産・子育てなどによる離職や、継続して働きにくい雇用環境

女性は結婚や出産、育児などで大きくライフバランスが変わります。また出産休暇や育児休暇がとれにくい社風の企業も未だ一定数あります。さらに復職しても復職前と同じ条件(雇用や賃金)で働くのが難しい場合も。そういった要因から女性の賃金が上がりにくいと考えられています。

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独身・既婚で女性の年収はどう変わる? 子育て世帯の年収や共働きの割合も紹介!

情報開示の対象企業は

301人以上を常時雇用する企業が、今回の法改正の対象企業となります。公表義務のある事業者は非上場企業も含めて約1万7,650社にものぼります。(2021年度時点)。また今後は101〜300人の社員がいる事業者についても公表義務を検討しています。

開示内容

  • 賃金額そのものではなく、男性の賃金を100とした時の女性の割合
  • 正社員だけでなく、契約社員など非正規雇用別でも開示を行う

公表場所

各企業の自社HPを想定しています。加えて上場企業が年数回作成する有価証券報告書でも情報開示を求める方針です。この背景には「女性活躍状況」企業価値の判断材料として投資家からも注目されているというものがあります。

まとめ

今まで男女賃金差の公表は経済界からの強い反発で実現していませんでした。そのため今回の男女の賃金格差の情報開示は前進と言えるでしょう。キャリア思考の女性にとっては、将来的なビジョンを描ける会社かどうかの判断材料にできそうです。厚生労働省は、今回の改正に加えてさらなる女性が活躍できる環境づくりに取り組んでいくそうです。男女ともに働き方が多様化していく中で、処遇・環境が整備されていくことが望まれます。

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