昼寝のし過ぎは死亡リスクを3割上げる?正しい昼寝の方法を紹介!

昼寝中の女性

昼寝は身体と脳に良いと言われており、昼寝を実践する方も多いかもしれません。ですが毎日昼寝を1時間以上している人は、していない人に比べて死亡リスクが高くなるという研究結果もあるんです。では良質な昼寝とはどういうものなのでしょうか?

目次

どうして昼食後に眠くなるの? 

そもそも、どうして昼間に限って眠くなるのでしょうか。その理由には、人間の消化活動が関わっています。人間のからだは興奮状態にある時は交感神経が優位に働きます。そしてリラックスしている時には副交感神経が優位に働いています。食事の後、人間の体はたべものを消化・吸収しようと胃腸の活動が活発になります。そしてその内臓の働きを活性化させるのが、副交感神経なのです。

消化活動を活発にするために体中の血液が胃腸へと優先的に運ばれ、脳や体の各部に存在する末梢神経の血液が減ってしまいます。また昼食にとられることの多いお米やパン、麺類などの炭水化物は、血糖値を急激に上昇させてしまいます。すると人の体は血糖値を下げようとインスリンを大量に分泌させます。血糖値が急降下することで低血糖のような状態が作り出されます。このことによって眠気をもよおす原因となります。

一方で、昼食をとらなくてお強烈な眠気をもよおすことがあります。大脳は何かに集中している時、一部の脳細胞が猛烈に活動しています。連続して働き続けると脳がオーバーヒートを起こしてしまうため、自己防衛のために眠気の信号を発します。これが昼に眠くなるメカニズムです。

1時間以上の昼寝はNG? 死亡リスクを上げる可能性も

中国の広州医科大学は、昼寝と死亡リスクの因果関係についての20件の論文を分析。研究結果を2020年8月、ヨーロッパ心臓病学会で発表しました。

その内容は、習慣的に昼寝を1時間以上する人はしない人に比べて

  • 心血管疾患の発症リスクが34%高い
  • 全死亡リスクが30%高い

というものでした。

その一方で米疾病対策センターは、睡眠不足は以下のリスクがあるといっています。

  • 肥満や糖尿病
  • 高血圧
  • 脳卒中
  • 心臓病
  • 精神面の疲れ

昼寝がからだに与える影響はまだ研究段階であり、明らかになっていません。ですが、1時間以上の昼寝は避けた方が良いといえるでしょう。では短時間の昼寝で、どういった効果が期待できるのでしょうか。

昼寝の効果は?

仮眠の研究は近年、様々な所で行われています。NASA(アメリカ航空宇宙局)が、行った実験では、26分間の昼寝をした宇宙飛行士の認知能力が34%上昇。注意力も54%上がるという結果がでました。また世界の一流企業を中心に、昼寝を推奨する企業も数多くあります。たとえば、グーグルやアップル、マイクロソフトなどでは、仮眠スペースや仮眠マシーンを導入しています。では昼寝にはどういった効果があるのでしょうか。

パフォーマンスがアップする

昼寝は認知能力や注意力だけでなく、創造力なども高めることがわかっています。脳をクールダウンさせることによって、斬新なアイデアや自由な発想が生まれやすくなります。また眠気を感じたまま業務を進めることで、イライラやケアレスミスの原因になってしまうことも。脳の疲れをとることで記憶力もアップします。 

心臓病などのリスクを減らせる

午後に昼寝をすることで血圧が下がります。そのため、心臓病や脳梗塞、糖尿病の予防にも効果があると考えられています。実際、昼寝と心臓病発症の関係性を調べた研究で一定の結果が出ています。週に3回以上、30分の昼寝で心臓病の死亡リスクが37%低下したのです。※

※2007年 ギリシャのアテネ大学のデミトリオス・トリホプロス博士が行った研究結果による

良質な睡眠効果が得られる

昼寝は夜の睡眠にくらべて3倍の効果があると言われています。たとえば、昼寝を10分しただけで、夜の睡眠の30分に該当するのです。また午前中の疲労回復や、午後の集中力やパフォーマンスが向上すると言われています。

正しい昼寝の仕方とは?

様々な効果がある昼寝ですが、正しく実践しないと効果を最大限に発揮できません。良質な昼寝をとるためのポイントをご紹介します。

睡眠時間は15分〜20分程度

睡眠時間は15分〜20分程度が良いでしょう。人間の睡眠は浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返しています。5分〜10分はウトウトとした状態で、徐々に深い眠りに入っていきます。そして30分を経過すると最も深い眠りに移行します。その時にムリに目覚める気分の悪さや疲労感が残ってしまいます。50代以降の方は眠りが深くなるのに時間がかかるので、30分程度の睡眠でも問題ありません。ただし長時間の睡眠は体の覚醒に時間がかかるので気をつけましょう。

ベストタイムは14:00〜15:00

可能であれば、14時〜15時に昼寝をとるのがベストです。体内時計のリズムによる眠気のピークは、夜中と午後の1日に2回訪れます。午後の眠気のピークは14~16時頃です。午後16時以降まで寝してしまうと、夜の睡眠に影響が出て睡眠不足になってしまいます。また、昼寝をする日としない日があると、体内時計が乱れる可能性があります。そのため、昼寝をする場合は、できるだけ毎日同じ時間帯にとるようにしましょう。

昼寝前にコーヒーなどのカフェインをとる 

カフェインには、眠気物質であるアデノシンをブロックする効果があります。この効果は、摂取してから15分以上かかると言われていますので、すっきりを目覚めることができます。

寝やすい環境をつくる

部屋を薄暗くする、耳栓やアイマスクをする、ヒーリングの音楽をかけるなど、睡眠に適した環境をととのえましょう。ただし、昼寝で寝そべるのは控えましょう。横になって眠ると体が本格的な睡眠モードになってしまいます。15分〜20分程度の仮眠であれば、机に伏したり椅子にもたれた状態でとったりするのがおすすめです。

昼寝後は頭をリフレッシュさせる

睡眠中、自律神経は副交感神経が優位になっています。そのため目覚めてすぐ業務にとりかかる場合は、交感神経を優位にすることが重要です。たとえば、薄暗くしていた部屋を明るくする、冷たい水で顔を洗う、背伸びをする、部屋を歩く、ガムを噛むなど、何らかの刺激を与えて交感神経を刺激してあげましょう。

まとめ

寝過ぎに注意すれば、仕事のパフォーマンスを高めるだけではなく健康にも良い昼寝。こちらの記事を参考に、良質な昼寝を実践してみてはいかがでしょうか。 

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