日本各地にある面白い地名の数々。今回はそのなかでも動物に関連する地名&駅名とその由来などを紹介します。
ウサギやコアラ、ネズミなど、動物を連想させる地名がたくさんありますよ☆それではさっそく見ていきましょう!
かわいい? へんてこ? 動物の地名25選
地形の形から名付けられた地名や、音の響に合わせて当てはめた地名など、動物に関連するさまざまな地名をご紹介します!
鮫(さめ)
青森県 八戸市(はちのへし)
青森県ではサメを食べる文化がありますが、八戸市の「鮫」の由来は別だと言われています。町に多くあった地名の「沢」がなまって「さめ」になり、それに「鮫」の漢字が当てられたんだそうです。
馬糞森山(ばふんもりやま)
青森県 平川市〜秋田県鹿角郡(かづのぐん)
馬糞森山の由来は名前の通り、馬の糞が盛り上がった形をしているからだと言われています。
こあら
山形県 酒田市(さかたし)
とても可愛らしい名前ですが、じつは動物のコアラとは関係ナシ。もともとこの地名の名前は「古荒新田(こあらしんでん)」と言って、それが平仮名の「こあら」になったそうです。
白兎(しろうさぎ)
山形県 長井市
昔、恵法律師という偉い僧が羽黒山に向かう途中に薬師如来を見つけました。そして その仏像を持って近くの西山を登ったときに白兎と白狐に道案内をしてもらったことから、白兎という地名がついたと伝えられています。ちなみに長井市にある『葉山神社』では、狛犬のかわりに狛兎が出迎えてくれるそうです!
燕(つばめ)
新潟県 燕市
『燕』は、戦国時代には『津波目』と呼ばれていました。この「津波目」の「津」は港、「目」は中心地を意味しているそう。そして江戸時代〜昭和初期に『燕町』と名前が変わり、現在は『燕市』となりました。また燕が群れていたことから祠を建てた地という伝説も残っています。
犬帰新田(いぬかえりしんでん)
新潟県 新潟市
この地域ができたばかりの頃、沼地に足を取られて犬も入ることができずに引き返したのが由来だと言われています。
鷲ノ木新田(わしのきしんでん)
新潟県 新潟市(南区北部)
新潟市の南区北部にある鹿島神社にワシが巣を作ったのが由来です。
馬下(まおろし)
新潟県 村上市
この場所には馬が通れないほどの切り立った崖があり、東北地域へ向かっていた源義経(みなもとのよしつね)がここで馬をおりたことから「馬下(まおろし)」と呼ばれるようになりました。
兎新田(うさぎしんでん)
新潟県 新潟市
この場所には昔、大きな池があってウサギや水鳥が多く住んでいました。そのウサギの“ウ”と、水鳥の“サギ”が合わさって『兎新田(うさぎしんでん)』という地名がついたそうです。
鼠(ねずみ)
長野県 埴科郡坂城町(はにしなぐんさかきまち)
江戸時代、土地の境界などに設置していた口留番所(くちどめばんしょ)がとても厳しく、『寝ずに見張っていた』ことから「不寝見(ねずみ)」となったのが由来です。
鳩ヶ谷(はとがや)
埼玉県 川口市
『鳩ヶ谷』の“谷”は谷の多い地形に由来しています。また“鳩”は「武蔵国足立郡発度郷」の「発度郷」を「ハトゴウ」と読み、そこに「鳩」の漢字をあてたそう。そのほか、窪地を意味する「ホト」がなまったなどいくつかの説があります。
虎ノ門(とらのもん)
東京都 港区
『虎ノ門』は、現在の霞が関一丁目と港区芝虎ノ門一丁目の間の地域周辺のことを言います。
名前の由来はいくつかあり、有力な説は以下の3つです。
(1)屋敷に虎の尾と呼ぶ桜があった。
(2)室町時代の武将、太田道灌(おおたどうかん)が戦に出るときに千里行って帰るという虎にちなんだ。
(3)朝鮮からもらった虎を運び入れようとしたけれど檻が大きくて門を大きく改造した。
馬喰町(ばくろちょう)
東京都 中央区
東京都中央区の最北部にある町の名前で、正式名称は日本橋馬喰町(にほんばしばくろちょう)です。
名前の由来はいくつかありますが、牛や馬を産地の農家から買い取って売ったり交換したりする「博労( ばくろう)」 が多く住んでいたからという説が有力です。
亀有(かめあり)
東京都 葛飾区
『亀有』は大ベストセラーコミック『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でも有名ですよね。この「亀」という字は、ここの土地がカメの甲羅のように盛り上がっていたからつけられたそうです。室町時代には「かめなし」と呼ばれていましたが、江戸時代に「なし→無し」は縁起が悪いと考えられるようになり『亀有』になりました。
合羽橋(かっぱばし)
東京都 台東区
合羽橋は食器や調理器具を扱っている問屋街です。名前の由来は2つあります。
1つ目はむかし城主の別邸があって、侍たちが内職で作った雨合羽を晴れた日に近くの橋にズラリと干していたからという「雨合羽(あまがっぱ)説」。
2つ目は、合羽川太郎(本名合羽屋喜八)が自分のお金で洪水を防ぐための工事をはじめ、その行いに感動した隅田川の河童たちが手伝ってくれたという「河童(かっぱ)説」です。
猿投山(さなげやま)
愛知県 豊田市
第12代の景行(けいこう)天皇が伊勢に赴いた際、かわいがっていた猿がいたずらをしてしまい、それに怒った天皇が猿を海に投げてしまいました。その後、猿は山に隠れ住み『猿投山』と呼ばれるようになったそうです。
馬堀海岸(まぼりかいがん)
神奈川県 横須賀市
ある荒馬があまりにも喉が乾いたので、ひづめで岩を掘ったところきれいな水が湧き出てきました。 その水を飲んだ馬はすぐれた馬に生まれ変わり、源頼朝(みなもとのよりとも)に贈られたと言われています。この言い伝えから馬堀という名前がつきました。
白兎(はくと)
鳥取県 鳥取市
日本神話『因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)』の舞台になった土地。因幡の白兎とは、ワニをだまして海を渡ったウサギがウソがばれて毛をむしり取られ、さらに海水でからだを痛めてしまいますが最後は大国主命(おおくにぬしのかみ)に助けられるというお話。この神話のウサギをまつった白兎神社や白兎海岸も有名です。
虎石町(とらいしちょう)
京都府 中京区
仏教家の親鸞(しんらん)が、この地域のお寺で出土した石をトラがうつむいた姿に見立てて『虎石』と呼んだことから、『虎石町』と呼ばれるようになったそうです。
亀木町(かめきちょう)
京都府 上京区
この辺りは豊臣秀吉がつくった屋敷、『聚楽第(じゅらくてい、じゅらくだい)』の一部でした。この庭の池に木で作った亀の噴水があり、“亀”と“木”が合わさって『亀木町』となりました。
亀屋町(かめやちょう)
京都府 上京区
元々、ここは『鶴屋町』と呼ばれていました。ですが徳川幕府5代将軍・綱吉の娘『鶴姫』が産まれ〝鶴〟を地名につけることを禁じられ、『亀屋町』に変わったと言われています。ほかにも中京区・下京区など『亀屋町』と呼ばれる地名は京都に5ヶ所もあるそうです!
馬立(うまたて)
京都府 向日市
昔ここには役人などが乗る馬を飼育する『右馬寮(うめのりょう)』がありました。そこから『馬立』という地名がついたのではないかと考えられています。
馬町(うままち)
京都府 東山区
この地域には六波羅探題(ろくはらたんだい※幕府の機関)から幕府へ優れた馬を送るための施設がありました。そこに見物人がたくさん集まり馬市が開かれたので、『馬町』と呼ばれるようになったそうです。
鷹匠町(たかじょうちょう)
京都府 伏見区
「鷹匠(たかじょう)」とは、タカの飼育や修練などをした役人のこと。この『鷹匠町』は伏見城の城下町にあたる場所で「鷹匠」が多く住んでいたため、『鷹匠町』と呼ばれるようになったそうです。
松ケ崎狐坂(まつがさききつねざか)
京都府 左京区
(1)キツネが出る坂という説
(2)急な坂を表す『キツ(急)』『ネ(峰)』から来ている説
など、その由来には諸説あります。また山科区にも「狐塚」「狐藪」というキツネにちなんだ地名があります。
動物がついた面白い駅8選
動物の名前がついた駅名は全国に数多くあります。ここでは、特に面白い駅名をご紹介します!
JR津軽線『蟹田(かにた)』駅
青森県 東津軽郡
1951(昭和26)年に津軽線・青森―蟹田間の開通とともに開業した歴史ある駅です。地元の人々は津軽線ではなく愛称を込めて「ガニ線」と呼ぶそうです!
山形鉄道フラワー長井線『白兎(しろうさぎ)』駅
山形県 長井市
白兎駅というと鳥取県に白兎海岸がありますが、この『白兎駅』は山形県内を走る山形鉄道フラワー長井線にあります。この周辺の地名が長井市白兎(ながいししろうさぎ)であることからつけられました。
JR高山本線『猪谷(いのたに)』駅
富山県 富山市
JR東海とJR西日本の境界駅。猪谷という駅名は近くを流れる猪谷川から名付けられました。また、本当にイノシシが多く生息していたのでこの地名になったとも言われています。
東武伊勢崎線・スカイツリーライン『牛田(うしだ)』駅
東京都 足立区
東京足立区の千住曙(せんじゅあけぼのちょう)にある駅。ここは昔、牛田圦(うしだいり)という農業用の水路が近くにあり、『牛田駅』はこれに由来します。
そのほかにも名鉄名古屋本線(愛知県知立市)や、広島高速交通/アストラムライン(広島市東区)にも『牛田駅』があります。
銚子電気鉄道銚子電気鉄道線『犬吠(いぬぼう)』駅
千葉県 銚子市
銚子電鉄にある「犬吠埼灯台(いぬぼうさきとうだい)」に一番近い駅。特徴のある駅を募集して選んだ『関東の駅百選』にもなっています。
京浜急行電鉄本線『馬堀海岸(まぼりかいがん)』駅
神奈川県 横須賀市
馬堀海岸にちなんでつけられた駅名。そのほか京都府の亀岡市にも馬堀駅(JR山陰本線)があり、こちらは「うまほりえき」と読みます。
名鉄三河線『猿投(さなげ)』駅
愛知県 豊田市
名鉄三河線の「山線」区間の終着駅。かつては先の西中金駅まで延びていましたが、2004年に廃線になってこの『猿投駅』が終着駅になりました。
JR西日本・湖西線『和邇(わに)』駅
滋賀県 大津市
滋賀県の大津市にある駅名。名前の由来は大和時代の豪族である和邇氏が住んでいたことから来ています。漢字が難しいので略字を用いて「和迩」と表示されることも。1955年までは和邇村がありましたが廃村になり、今は駅名だけ残っています。
まとめ
今回は動物がつく地名や駅名をご紹介しました。
動物の名前がつく地名では、実際にその動物に関連する地名もあれば、まったく関係ない地名も。
地名の由来を知ることで、日本の歴史や風土に興味を持てるようになるかもしれません。
日本地図を眺めながら気になる地名を探すのも楽しいですよ。
ほかにも『こんな面白い動物の地名があるよ!』などあれば、ぜひコメントで教えてください☆
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