株式投資は将来の資産形成に不可欠ですが、様々な要素を考慮する必要があります。特に「インデックス投資」「投資対象の国」「年齢」「コアサテライト戦略」など、様々な要素が絡み合います。株での大損を避け、後悔しないためにはどうすればいいか? そのヒントの一つとなるのがインデックス投資です。本記事では、インデックス投資について詳しく解説します。
インデックス投資とは
インデックスとは、市場全体の値動きを示す指標です。たとえば、日経平均や東証株価指数(TOPIX)は日本株式のインデックスです。ほかにもアメリカはじめ全世界にインデックスがあります。
さまざまなインデックス投資がありますが、まずは「アメリカ株」と「全世界株」のどちらかをおすすめします。アメリカ株は全体的に安定して利益を出せるのに対して、全世界株は為替リスクがあるもののハイリターンを見込めます。
投資対象の選び方(アメリカ株 vs 全世界株)
- アメリカ株:
- 世界最大の経済規模を誇り、多くの革新的な企業が誕生
自分の身の回りのものを見てみましょう。Iphone,amazon,netflex,パソコンはMACかwindows。 - 情報収集がしやすく、流動性が高い
情報発信しているメディアや個人投資家も多く、情報収集も容易で、投資家が注目しています。 - 長期にわたり高いパフォーマンスを示してきました
100年くらいの歴史を見ても、何度も暴落があったにも関わらずS&P500は右肩あがりで成長している。チャートの上下するものの年利にすると7%で成長。(*S&P500暴落時の変動率は以下に示す) - 先進国で長期にわたって高成長している国はアメリカだけ
- 世界最大の経済規模を誇り、多くの革新的な企業が誕生
- 全世界株:
- 新興国市場の成長を取り込める可能性
- より多様な資産に分散投資できる
- 発展途上の国も含まれるので為替リスクに注意が必要
*S&P500暴落時の変動率
過去のS&P500の大暴落 | 変動率 (%) | 最低値からの回復期間(概算) | 主な要因 |
2008年 | -38.50% | 約5年 | リーマン・ショック、サブプライムローン問題 |
2002年 | -22.10% | 約5年 | ITバブル崩壊、世界同時不況 |
1987年 | -33.50% | 約1年 | ブラックマンデー、プログラム取引の暴走 |
これらの例からも分かるように、S&P500暴落後の回復期間は、その原因や経済状況によって大きく異なります。リーマン・ショックのような深刻な金融危機では、回復に時間がかかる傾向があります。しかし回復にかかる時間は最長でも5年程度。長期目線では右肩上がりで推移していることがわかります。
インデックスファンドとETFの違い
インデックス投資でよく利用されるのが、インデックスファンドとETFです。インデックスファンドは、プロの運用会社が市場全体に分散投資してくれるので、投資のタイミングを気にせず、長期的な資産形成をしたい初心者や忙しい方におすすめです。一方、ETFもプロの運用会社が市場全体に分散投資してくれるものです。違いは個別株と同様に取引所で売買することが可能であることです。
- インデックスファンド:
- 投資信託の一種で、投資家が直接株式などを購入するのではなく、ファンドを通じて間接的に投資
- 運用会社が投資の判断を行う
- ETF:
- 証券取引所で株式のように売買できる投資信託
- 自分で売買タイミングを決められるため、アクティブな運用が可能
インデックス投資の運用方法は?
長期投資で行う
株価は市場の流れで常に変動しています。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資を行うことが大切です。
長期的な視点が重要な理由
- 市場の変動は自然な現象
株式市場は常に変動しており、短期的に見ると上昇することもあれば下落することもあります。しかし、歴史的に見ると、株式市場は長期的に成長を続けてきたという事実があります。 - 複利効果
長期投資をすることで、複利の効果が働き、資産が雪だるま式に増える可能性が高まります。複利効果とは、運用益が元本に組み込まれ、翌期以降の運用益の計算に含まれることで、運用益がさらに運用益を生み出す効果のことです。 - 心理的な安定
短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な目標に焦点を当てることで、心理的な安定を保ち、投資を継続しやすくなります。 - コストの抑制
短期的な売買を繰り返すと、取引手数料がかかり、結果的に運用効率が低下します。長期投資では、頻繁な売買を行う必要がないため、コストを抑えることができます。
ポートフォリオを定期的に見直す
経済状況やライフステージの変化に合わせて、ポートフォリオを見直すことも大切です。
見直し頻度は個人やライフスタイルによって異なりますが、一般的には年に1回程度を目安にするのがベスト。株による確定申告を行なっている場合は、年末に資産状況を見直して整理しておくと良いでしょう。
また「若年層」「中年層」「高齢層」で投資銘柄を大きくチェンジする方法もあります。
年齢別:ライフステージに応じた投資
- 若年層:
- 長期的な視点で、積極的にリスクを取れる
- 成長性の高い株式に投資し、複利効果を最大限に活かす
- 中年層:
- 安定した収入を得つつ、資産形成を進める
- バランスの取れたポートフォリオを構築する
- 高齢層:
- 守りの姿勢を重視し、安定した配当を得られる銘柄に投資する
インデックス投資のメリット・デメリット
メリット
個々の銘柄を選定する手間が省けて市場全体の成長に便乗できるというメリットがあります。
- 分散投資効果でリスクを軽減できる
- 運用コストが比較的低い
- 長期的な視点で安定的なリターンが期待できる
デメリット
市場全体が下落するリスクがあり、損失を完全に回避することはできません。そのため、リスクとリターンを考慮した上で、自分に合った投資計画を立てることが重要です。また、個別銘柄の大きな上昇益を得る機会が少ない点もデメリットです。
- 市場リスク
全体的な市場の動向に影響されるリスク。例えば、金利上昇は、企業の資金調達コストを上昇させ、株価に下押し圧力となる場合があります。
- インフレリスク
物価が上昇すると、同じ金額で買えるものが減ってしまうため、投資で得た利益の実質的な価値が減少してしまいます。
- 為替リスク
外国株式に投資する場合、為替変動によって損失が出るリスク。外国株式に投資する場合、円が外国通貨に対して下落すると、日本円に換算したときの投資額が減ってしまいます。
- リターンが小さい
インデックス投資は幅広いセクターの複数企業の投資を行います。そのため、個別銘柄への投資と比較してリターンが小さい点もデメリットです。例えばITが好調な場合には個別株で集中投資をしていた方がリターンは高くなるということです。
リスク管理(コアサテライト戦略など)も行う
リスクを恐れすぎていたらリターンも得られません。しかし、無防備にリスクを取るのはNG。たまたま利益を得ることができたとしても、長続きはしません。大事なのは徹底的に市場や銘柄を研究した上で、ここぞという時にはリスクを取ること。そこでもし損失が出ても、今後への振り返りとして失敗を次に活かすことができます。
また「守りの投資」と「攻めの投資」に分け、リスクを分散させるコアサテライト戦略も有効です。
コアサテライト戦略:安定と成長の両立
コア・サテライト戦略とは、ポートフォリオを「コア資産(中核)」と「サテライト資産(衛星)」に分けて運用する投資手法のこと。長期的に安定した株の運用を行いつつ、サテライト資産の方で高リスク・高リターンの株を運用します。メリットは、価格変動のリスクをコントロールしながら、資産全体としてのリスクやコストを抑えつつ、市場平均よりも大きいリターンを確保できることです。
- コア資産
- インデックスファンドなど、長期的な安定成長が見込める資産
- サテライト資産
- 個別株やテーマ型ファンド※など、高い成長が期待できる資産
※テーマ型ファンドとは、世間で話題となっているテーマに関連する銘柄に投資する投資信託の一種
例えば、コア資産80%、サテライト資産20%などというようにリスク許容度の範囲でサテライト資産でプラスアルファの成長を狙うのも良いでしょう。ただし、サテライトに個別株を採用する場合は注意が必要。個別銘柄は、企業の業績や市場の動向に左右されやすく、リスクが高い。また、企業の財務状況、事業内容、競合他社などを徹底的に分析する必要もありインデックス投資より手間や時間がかかります。
まとめ
インデックス投資は、長期的な視点で資産形成を目指す方におすすめの投資方法です。しかし、市場全体が下落するリスクなど、注意すべき点もあります。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、慎重に投資計画を立てましょう。
こちらの記事は投資に関するアドバイスではなく、あくまで損失回避のヒントです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断で行ってくださいね。
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