“スイッチング”とは、投資信託や運用商品を売却したり買い換えたりすること。長期で投資をしている場合、このまま株を保有し続けていいのかどうか気になりますよね。そこで今回は、積立NISAやiDecoの銘柄を変更する上でのベストなタイミングやメリット・デメリットについて解説します。
銘柄スイッチングについて
投資における“スイッチング”とは、投資信託や運用商品を売却したり買い換えたりすることです。安定的に株を運用していくには、自分の運用目的や運用期間に合わせて、その商品に組み入れられている金融商品を切り替えていくことが大切です。
なぜスイッチングをするのか?
そもそもどうしてスイッチングが必要なの?
銘柄を変更するのにはさまざまな理由があります
- リスク・リターンの調整
年齢やライフプランの変化に合わせて、リスクの許容度や期待リターンを調整したい場合 - パフォーマンスの低い商品の入れ替え
現在の商品のパフォーマンスが思わしくない場合 - より良い商品への乗り換え
より収益性の高い商品や、手数料の低い商品など、より良い商品が見つかった場合
スイッチングの必要性はわかったけど、制限はあるのかな?
大丈夫!スイッチングは自由に行えます
NISAでもiDeCoでも、年間の投資上限額内であればライフプランや市場環境の変化に合わせていつでも好きなタイミングに運用商品(銘柄)の変更を行うことができます。
これは投資環境の変化や自身の投資目標の変化に合わせて、柔軟にポートフォリオを調整できることを意味します。
ポートフォリオとは、あなたが持っている株式の組み合わせ、つまり「株の詰め合わせ」のようなものです。安定重視なのか成長重視なのか、2つのバランス重視なのかを考えて自分にあった銘柄を集めたものを言います。
多くの金融機関では、インターネットバンキングや証券会社のアプリを通じて、簡単にスイッチングの手続きを行うことができるのでぜひ有効に活用しましょう。
それではNISA・iDeCoそれぞれ、どのように銘柄変更を行っていけば良いのか順に見ていきましょう!
NISA|銘柄変更の方法
NISAの銘柄変更のタイミングは?
銘柄変更のタイミングは、以下の場合が考えられます。
- 投資環境が大きく変化した場合
金利上昇や景気後退など、市場環境が大きく変化した場合 - 投資目標が変わった場合
老後資金の準備から、住宅購入資金の準備など、投資目標が変わった場合 - 保有している投資信託のパフォーマンスが低い場合
長期にわたってパフォーマンスが低い場合は、別の投資信託に乗り換えることも検討できます - より良い投資信託を見つけた場合
より低いコストで運用されている投資信託など、より良い投資信託を見つけた場合
NISA|銘柄変更の手順
NISAno銘柄変更の手順は証券会社によって多少異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
- 現在保有している投資信託の売却
証券会社の口座から、売却したい投資信託の売却注文を出します。 - 新たな投資信託の購入
売却した資金で、新たに購入したい投資信託を購入します。
多くの証券会社では、インターネットバンキングや証券会社のアプリを通じて、簡単に銘柄変更の手続きを行うことができます。
NISA|銘柄変更の注意点
- 非課税枠の範囲内で
年間の非課税投資枠を超えて投資することはできません。ここは特に注意!下記の積立NISAの売却と非課税枠の関係にも注意しましょう。 - つみたてNISAの売却と非課税枠の関係
つみたてNISAで投資した資産を売却した場合、売却した金額分の非課税枠が翌年から復活します。
例えば、2023年につみたてNISAの非課税枠40万円を使い切ったとします。この状態で、2024年に10万円分の投資信託を売却した場合、2025年からは10万円分の非課税枠が復活し、新たに投資できるようになります。 - 手数料
銘柄変更の際に、証券会社の手数料がかかる場合があります。 - タイミング
市場が大きく変動している時期に慌てて変更すると、損失が出る可能性もあります。 - 投資目的
銘柄変更を行う際は、なぜその銘柄に変更するのか、自身の投資目的と照らし合わせて慎重に判断することが大切です。
年間の非課税投資枠を超えて投資することができない点は注意しておいてください!また、積立NISAの積立分を売却してもその非課税枠に投資できるのは翌年になります。
iDeCo|スイッチングの方法
iDeCo|スイッチングのタイミング
- ライフプランの変化
結婚、出産、住宅購入など、ライフプランが大きく変化し、引退時の目標額に変更がある場合 - リスク許容度の変化
年齢を重ね、リスクを避けたいと考えるようになった場合 - 市場環境の変化
金利上昇や景気後退など、市場環境が大きく変化した場合 - 商品のラインナップ変更
加入している金融機関の商品ラインナップが変更された場合
引退や年齢によって、目的額達成といったライフイベントを控えている場合、銘柄の見直しは非常に重要になりそうね。
年齢を重ねるにつれて、リスク許容度は低下していく傾向にあります。そのため、若い頃に比べて、より安定した守りの資産運用を心がけることが重要です。
iDeCo|スイッチングの手順
iDeCoのスイッチングの手順は、加入している金融機関によって多少異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
- 現在加入中の商品を売却
現在の運用商品を売却します。 - 新たな商品を購入
売却した金額で、新たな運用商品を購入します。
iDeCo|スイッチングの注意点
手数料
スイッチングの際に、金融機関の手数料がかかる場合があります。
タイミング
市場が大きく変動している時期に慌ててスイッチングすると、損失が出る可能性もあります。
ロックイン期間
一部の商品では、一定期間経過しないとスイッチングできない場合があります。
税金
iDeCoは原則60歳まで解約できないため、中途解約した場合、税金がかかる可能性があります。
NISA・iDeCoともに適したタイミングな手順があるんだね
スイッチング、銘柄変更のメリット・デメリット
それぞれのメリット・デメリットはどうなっているのかな
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
投資環境の変化に対応できる | 手数料がかかる |
投資目標の変化に対応できる | 頻繁な変更は、手数料がかかるだけでなく、複利効果を減らす可能性がある |
より良いパフォーマンスが期待できる商品に投資できる | 投資判断を誤ると、損失が出る可能性がある |
NISA、iDeCoともにメリット・デメリットはほとんど共通しています
メリット・デメリットの大枠を押さえておけばOKだね!
ちなみに複利効果とは、お金が「お金を生む」仕組みのことです。
もうちょっと詳しく教えて
例えば、100万円を預金し、年利10%で1年運用すると、1年後には110万円になりますよね。この110万円をさらに翌年も運用します。
このように、元本に利息が加わり、その増えた元本に対してさらに利息がつくことを繰り返すことで、お金が雪だるま式に増えていくのが複利効果です。
まとめ
NISAでは、銘柄変更が自由に行えるため、投資環境の変化や自身の投資目標の変化に合わせて柔軟にポートフォリオを調整することができます。しかし、頻繁な銘柄変更は手数料がかかるだけでなく、複利効果を減らす可能性もあるため慎重に行うことが大切です。
iDeCoのスイッチングは、ご自身の状況に合わせて柔軟に行うことができる制度です。しかし頻繁なスイッチングは、手数料がかかるだけでなく、長期的な資産形成の妨げになる可能性もあります。
スイッチングを検討する際は、以下の点に注意しましょう。
- なぜスイッチングするのか、明確な理由を持つこと
- 長期的な視点を持つこと
- 金融機関の手数料を確認すること
長期投資において、定期的に銘柄を見直すことは非常に重要です。なぜなら、国の情勢や企業を取り巻く環境は常に変化しており、一度良い銘柄だったとしても、数年後には状況が変わっている可能性があるからです。そんな時は銘柄の変更・スイッチングを活用しましょう!
ただし、福利効果を阻害するデメリットもあるので注意ですね。
そうですね。長期投資の最大のメリットである福利効果を得られない可能性もあるので注意が必要です。また、投資では目的に沿って安定的なリターンを目指すものです。頻繁な売買は、ポートフォリオのバランスを崩し、リスク分散の効果を弱める可能性があります。
こちらの記事が少しでも参考になれば幸いです!
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