人間関係で悩むのは当たり前。「2:6:2」の法則を知って楽に生きる

歩き出す女性

学校や職場で、必ずいる相性が合わない相手。友達関係であれば付き合わなければ良いだけですが、仕事仲間となるとそうはいきません。極力接点を持たないようにしたり、何とかうまくやっていこうとしたりしても、一方的に攻撃されたり陰口を叩かれたり…そんな時、真面目な方ほど自分を責めてしまいがちです。ですが、あなたを嫌う人がいるのは、必ずしもあなたに原因があるわけではありません。自分を責める前に知っていただきたい法則があります。

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世の中は法則で回っている

ビジネスやマーケティングで用いられる用語に、「パレートの法則」というものがあります。全体の8割は、2割の要素によって生み出しているという統計上の法則のことで、イギリスの経済学者ヴィルフレド・パレートによって提唱されました。たとえばこんな例がパレートの法則に当てはまります。

パレートの法則例

  • 国家の富の8割は、2割の富裕層が独占している。
  • 商品の売上の8割は、2割の優良顧客にもたらされている。
  • 企業の売上の8割は、優秀な2割の社員によってもたらされている。
  • 都市の交通量の8割は、全体の道路の2割に集中している。
  • 1日の業務の成果8割は、費やした2割の時間で生み出されている。

パレートの法則は、確かな理論から成り立っている法則というよりも、ビジネスや私たちの生活の中で起きた経験から導き出された経験則(統計学)の類です。当初は所得分布の経験則として使われていました。しかし現在ではマーケティングなどの経済以外に、自然現象や社会現象など、様々な現象にあてはまられることがわかっています。

この「2:8の法則」から派生したと言われるのが「2:6:2の法則」で、別名「働きアリの法則」とも呼ばれています。働きアリは全てが一生懸命働いていると思われがちですが、そうではありません。実際に良く働くアリは全体の2割程度だけ。そして約6割は普通に働くアリで、残りの2割は全く働かないアリなのだそうです。しかも良く働くアリだけを集めると、今度はその全体の6割が普通に働き、2割は全く働かなくなってしまうというのです。その逆もしかりで、全く働かないアリだけを集めると、同じように「2:6:2」の法則に別れて全く働かなかったアリの中から、2割の良く働くアリが生まれるというのです。2割が良く働くアリ、残りの8割のアリが普通か働かないアリということで、こちらもパレートの法則にあてはめることができます。この「2:6:2の法則」は、会社組織において、「優秀な社員が2割、普通の社員が6割、あまり働かない社員が2割」というように使われます。

人間関係における「2:6:2の法則」

そしてこの「2:6:2の法則」は人間関係にもあてはめることができます。たとえば、チームに10人のメンバーがいるとしましょう。2人はあなたと相性が良い人、6人はどちらでもない人、そして残りの2人はあなたとの相性が悪い人というのです。

  • あなたと相性の良い人…2割
  • あなたとの相性が普通の人…4割
  • あなたと相性が悪い人…2割

同僚と同じミスをした時、あなただけ上司に厳しく叱責されたとしましょう。そんな時、あなたは上司に嫌われるような何かをしたのではないかと悩むでしょう。ですが、ただ単に上司にとってあなたが相性の悪い相手だったのかもしれません。また、どうしても好きになれない同僚がいて、自分を責めてしまうとしましょう。しかしそれも、「2:6:2の法則」による生理的嫌悪によるものかもしれません。もし「2:6:2の法則」を知らなければ、関係を良くしようと嫌われない努力をしたり、相手を好きになる努力をしたりするでしょう。それでうまくいけば問題はありません。しかしさらに辛辣な態度をとられたり相手の嫌な部分が目についてしまって自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。

人間関係で悩むのは自然の法則。逃げても開き直っても良い

この法則から導き出されるのは、いくらあなたと相性の悪い2割をコミュニティから排除しようとしても、また苦手な人が出てきてしまうということです。それならば、あなたと相性の悪い人にフォーカスするのではなく、あなたに好意を持ってくれる人を大切にする方が生産的ではないでしょうか。あなたが属すコミュニティには必ず相性の合わない人がいるという前提で、開きなおってしまうのも良いでしょう。自分と相性の合わない人がいたとしても、ムリに合わせる必要も、自分を責める必要も無いのです。相性の悪い人に振り回されるより、はるかに心が楽になるはずです。

対人関係の物事を考える一つの物差しとして、人間関係における「2:6:2の法則」を捉えていただけたら幸いです。

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