独身・既婚で女性の年収はどう変わる? 子育て世帯の年収や共働きの割合も紹介!

キャリアウーマン

国税庁の「平成30年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて働いた給与所得者の平均年収は441万円です。男女別にみると、男性の平均年収は545万円、女性の平均年収は293万円という結果になっています。男性に比べて女性の平均年収は252万円も少ないことがわかります。この背景には、女性は結婚や妊娠・出産、育児などに働き方が左右されることがあげられます。ライフステージの変化によって女性の年収や勤務形態はどのように変わっていくのでしょうか?

目次

女性の平均年収は?

まずは年代別の女性の平均年収を見ていきたいと思います。女性の平均年収は20代で288万円、30代で315万円、40代で316万円となっています。一方男性の場合、20代の平均年収が344万円、30代で499万円、40代で608万円となっており、全ての年代で女性よりも男性の方が平均年収が高くなっています。総合職と一般職などの職種の種類によっても年収も変わってきますが、10代・20代では100万円未満だった男女の年収の開きが、30代からは100万円以上開いています。そして徐々に開きが大きくなっていき、55〜60歳では388万円も年収額が違います。

現代の日本はまだ年功序列が給与形態のベースになっており、一般的に勤続年数に応じて役職がつき年収も上がっていきます。しかし女性の場合はライフスタイルの変化で離職や休職をすることがあり、キャリアの中断によって年収が思うように伸びない現状があります。

男女間の賃金格差についてはこちらも参照ください▼

[韓国に次いでワースト2位】男女の賃金格差が公表義務化へ

男女の年代別平均年収

年代平均年収(男女計)男性の平均年収女性の平均年収
全体平均441万円545万円293万円
19歳以下137万円162万円114万円
20〜24歳267万円284万円249万円
25〜29歳370万円404万円326万円
30〜34歳410万円470万円315万円
35〜39歳448万円528万円314万円
40〜44歳476万円581万円319万円
45〜49歳502万円635万円313万円
50〜54歳529万円682万円322万円
55〜60歳520万円686万円298万円
60〜64歳416万円537万円242万円
65〜69歳326万円410万円211万円
70歳以上306万円382万206万円
平成30年民間給与実態調査]参照

独身女性の平均年収は約344万円

女性向けメディア「4MEEE(フォーミー)」が未婚女性380人に行ったアンケート結果によると、20~30代の独身女性の平均年収は約344万円でした。20代では総務省が行った統計結果と年収はあまり変わりませんが、30代以降は、女性全体に比べて、独身女性の方が平均年収が高くなっています。

年代独身女性の平均年収
20〜24歳約259万円
25〜29歳約339万円
30〜34歳約384万円
35〜39歳約485万円
2020.4/30[4MEEE(フォーミー)]参照

子育て世代の平均年収は?

厚生労働省が行った「平成30年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省」によると、子供のいる世帯の総所得は743万6000円でした。一方、「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子家庭世帯の平均年収は母子世帯の母自身の収入に限定した平均年収は、243万円となっています。同居親族の収入を含んでも348万円という結果になっています。

女性の正社員と契約社員・パートなどの年収の違いは?

次に女性の正社員と契約社員・パートなどの平均年収はどうなっているのでしょうか。男女の正社員の平均年収が504 万円に対して、契約社員やパートなどの非正規 179 万円です。男女別に見ると、男性の正規社員は560 万円、非正規は236 万円だったのに対して、女性の正規社員は386 万円、非正規は154 万円でした。前回統計をとった時より男女ともに年収は上がっていますが、男女格差はこちらでもみられます。

共働きの割合は?

総務省統計局発表の「平成 29 年就業構造基本調査」によると、全国で 2,763 万5000世帯のうち子供がいる世帯・いない世帯含めて 共働きは1,348 万8000世帯あり、全体の48.8%を占めています。都道府県別に見ると福井県が 60.0%と最も高く、次に山形県(57.9%)、富山県(57.1%)となっています。一方、共働きの割合が最も低い県は奈良県の42.0%でした。また首都圏で見ると山梨県(54.1%)が最も共働きの割合が高くなっています。次いで東京都(49.1%)、埼玉県(46.5%)、神奈川県(46.3%)千葉県(45.4%)、という結果になっています。

前回2012年に行った国税調査の時よりも共働き世帯は増加しています。このデータから国や自治体が子育て支援の強化が進んでいることが裏付けられます。ただし、1都3県における育児中の女性の就業率は全国平均を下回っており、保育施設の充実が依然として課題になっています

共働きの割合が高い都道府県

順位都道府県共働き夫婦の「高い割合
1位福井県60.0%
2位山形県57.9%
3位富山県57.1%
4位石川県56.1%
5位長野県55.9%
平成30年民間給与実態調査]参照

共働きの割合が低い都道府県

順位都道府県共働き夫婦の「低い割合
1位奈良県42.0%
2位大阪府44.0%
3位兵庫県44.5%
4位北海道44.5%
5位千葉県45.4%
平成30年民間給与実態調査]参照

首都圏における共働きの割合

順位都道府県共働き世代の割合(首都圏別)
1位山梨県54.1%
2位東京都49.1%
3位埼玉県46.5%
4位神奈川県46.3%
5位千葉県45.4%
平成30年民間給与実態調査]参照

パートなどで働く時間を調整している割合

働く時間や日数を調整している女性を年齢別でみると45~49 歳が 37.9%と最も高く、次に「50~54 歳」(36.7%)、「40~44 歳」(36.4%)となっています。40代半ば〜50代というと、ある程度育児が落ち着いた年齢ともいえます。しかしその一方で親の介護がはじまる年代でもあります。実際、働きながら親の介護も行っている女性は「40~49 歳」が 68.2%と最も高く,次いで「50~54 歳」(67.5%)「40 歳未満」(66.1%)となっています。

ライフスタイルの変化と離職率

出産や育児による離職のために仕事を辞めた女性は、102 万5000人となっています。また女性の給与所得者約22,081万人のうち非正規は813万人であり、約39%が非正規で占められています。一方、男性の給与所得者2,946万人のうち非正規は354万人。割合でいうとわずか約12%です。女性は妊娠・出産や育児といった都合で、パートやアルバイトなどの非正規を選ぶ(または選ばざるえない)ことがうかがえます。また、非正規で働いている女性のうち、31.7%が収入を一定額に抑えるために働く時間や日数を調整していると答えています。そのうち8割が所得を50万円〜149万円で調整しています。

女性は男性と同様に会社や職種によって年収が変わりますが、結婚・出産などによっても影響を受けます。育休や産休の制度が整っていない企業もまだ多くあり、一度ライフステージの変化で離職してしまうと、同じポジションや条件での復職は難しい現状があります。また女性の役割分担として、家事や育児、介護を期待されるケースが多くなります。実際、正規雇用の場合でも、1日あたりの家事・育児の時間は男性が1時間未満に対して、女性は4〜6時間未満の割合が一番高くなっています。そのため、そのままキャリアを積める場合と、途中でキャリアを断念した場合では年収に大きな違いが生まれてしまいます。

まとめ

今回は女性のライフスタイルの変化における年収について記載しました。変わらずキャリアを築きたいと思う女性もいれば、ライフスタイルに応じて働き方も流動的に変えていきたいと考える女性もいると思います。働き方改革やワークライフバランスの見直しなどが行われている昨今。それぞれの想いに沿った働き方ができる社会になることが望まれます。

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